ここでは、思わず人に話したくなる花火にまつわる基礎知識をご紹介。花火鑑賞の際に、この知識を披露できれば、一躍人気者になれるかも!?

そもそも花火は、なぜこれほど豊かな色を表現できるのでしょうか。これは小学校で習う「炎色反応」と同じ原理です。つまり、元素はその性質により、燃えたときの色が異なります。例えば、紅色は炭酸ストロンチウム、緑色は硝酸バリウム、黄色はシュウ酸ソーダなどです。これらの組み合わせに加え、最近ではここにマグネシウムなどを使い、微妙な色合いを表現しています。また、花火が開花後に次々と色を変えていくのは、火薬を幾重にもまぶして作り上げる「掛け星」という方法によるもの。最初に中心部に火がつき、銀色に、その後紅色、青色のように発色するのは、日本ならではの技術なのです。
打ち上げ花火は大きく3つに分類することができます。
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■割物(わりもの)
星(光や色彩、煙を出す部分の火薬)を割火薬で四方八方に飛ばす仕組みです。花火大会ではお馴染みで、ドーンという大きな音とともに丸く開く花火で日本固有のものです。尾を引いて広がる「菊物(きくもの)」と尾を引かず光の点を描きながら広がる「牡丹物(ぼたんもの)」に大別され、二重に円を描くものを「芯物(しんもの)」と呼びます。
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■ポカ物
上空で2つに割れるとき、「ポカッ」という音を発することから名づけられました。火薬を詰めた星が、シュルシュルと回転しながら飛び回る「蜂」や、尾を引きながら流れ落ちる「柳」などは花火大会の定番。運動会やお祭りの開催合図を告げる「音物(おともの)」などもあります。
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■曲付
曲導付ともいい、玉が上空へ昇っていく途中で色んな現象を現す花火玉のアクセサリー。光の尾をまっすぐに引いているものを「昇り朴付(のぼりぼくつき)」、笛の音を出すものを「昇り笛付」、小さい花を咲かせていくものを「昇り小花」といいます。
上記の3つはあくまで基本。この他にも、八方に小さな玉を放出して多数の小花を一斉に開かせる「小割物(こわりもの)」や、導火線に火をつけると全体に移り火文字を描く「仕掛け花火」などもあります。また、近年よく聞く「スターマイン」ですが、厳密には花火の種類というよりも打ち上げの技術を指します。同時に何種類もの花火を打ち上げ、色合いや形の織りなすハーモニーを表現。ここ最近はコンピュータ制御が主流になりつつあります。

花火大会の中には、秋田・大曲の「全国花火競技会」のように花火を競うものがあります。一見すると、花火はどれも美しく完璧にみえますが、プロの方はどこをポイントにして観ているのでしょうか? 日本煙火協会によると、主に4つのポイントがあるそうです。
■玉の座り…打ち上げられた玉がちょうど昇りつめた時に開くのがよい
■盆…玉の大きさに見合った広がりで、まん丸く(真円球状)に開くのがよい
■肩…飛び散る星が放射線状にまっすぐ飛んで円形になるのがよい
■消え口…星のすべてが一斉にパッと消えるのがよい
上記のポイントを押さえておけば「お!今のは消え口がよかったね!」などと通ぶることもできるかもしれませんね。
こちらでは、花火の数字にまつわるトリビアをご紹介。打ち上げ発数や来場者数日本一の大会まで、これを読めば、あなたも立派な花火博士になれるかも! (各花火大会の公式発表を参照)
花火は人々を元気にするもの。東日本大震災の時にも、復興花火大会が行われ、多くの方が激励を受けたそうです。今、全国では200以上の花火大会が行われています。今年の夏は、少し遠くの大会まで足を伸ばしてみてはいかがでしょう。