台湾を歩けばコンビニにぶつかる……? 台湾カルチャーにまつわるトリビアをご紹介します!

台湾の街中を歩いていると、いたるところで目にするのがコンビニエンスストア。それもそのはず、台湾のコンビニ店舗数は2010年の調査で約10,000店。人口当たりの店舗数でみれば、日本やアメリカを抜いて世界一なんです!
台湾では、日本でもおなじみのセブンイレブンやファミリーマートに、OK-MART、Hi-Lifeを加えた4チェーンが4大コンビニとして君臨しています。品揃えは日本とほぼ変わらず、おにぎりから日本のお菓子、ビールなどのアルコール類、おでんまで売られていますが、似て非なるところもあるようです。
TOPICS 1 人気は飲料・酒・タバコ
日本のコンビニはお弁当やおにぎり、お総菜などが売り上げの30〜40%を占めますが、台湾は屋台が充実しているため、こうした“中食商品”の売り上げは伸びないのだとか。
TOPICS 2 お茶が甘い!?
コンビニに並んでいるペットボトルの緑茶や烏龍茶には、砂糖が入っていることがほとんど。日本風の甘くないお茶は、パッケージに「無糖」や「日式」とクレジットされています。
TOPICS 3 レジ袋が有料
台湾のレジ袋は有料なので、会計時にお願いしないと商品を袋に入れてもらえないことがあります。また、コンビニに限ったことではありませんが、お会計時にもらうレシートが“宝くじ”になっているのも台湾ならでは。これは店舗の脱税防止で行われているもので、特別賞の1,000万元から6等の200元まで、2カ月に1回、奇数月の25日に当選発表されます。

環太平洋造山帯に属している台湾は、日本同様、温泉パラダイス。台北市中心部からでも地下鉄やバスを使えば近隣の温泉地に気軽にアクセスできるため、滞在中に湯けむり旅情を満喫した、なんて人も少なくないのでは?
そんな台湾の温泉は1894年に初めて発見され、日本統治時代の1896年に、台北市近くの北投に台湾初の温泉旅館「天狗庵」を日本人が開業してから各地に広まったといわれています。温泉の入り方は日本と異なり、水着着用が基本。また、亜熱帯の気候からかお湯に入って体を温めるというよりも、ぬるいお湯にのんびりつかるというスタイルがポピュラーなんです。
北投、陽明山、関子嶺、四重渓の台湾4大温泉から、海底から湧き出るお湯を楽しめるものや奥深い峡谷にひっそりとある秘湯まで、台湾ならではの温泉地も盛りだくさん。最近では、古くからある温泉地をスパリゾートとして再開発したり、日本の老舗温泉旅館などの進出もあって、温泉が再び脚光を浴びているそう。年中温暖とはいえ、冬場はダウンジャケットが必要になることもある台湾ですから、心も体もポカポカになりたいときは足を運んでみたいですね。

台湾はスクーター天国。特に朝の通勤ラッシュ時、数え切れないほどのスクーターが信号待ちをしている様子は名物といっていいほど。しかし最近、台北の街中では、自転車専用レーンを颯爽と走る黄色い自転車を目にすることも多くなりました。
これは、台湾が世界に誇る自転車メーカー「GIANT」と台北市政府が共同で始めたレンタサイクル事業「YouBike」の自転車。2009年にスタートし、2014年7月時点で台北市内に163のレンタル拠点があり、5,000台以上の自転車が活躍しているんです。
自転車はGIANTが開発した専用車で、身長140〜190cmまで対応する調節可能なサドルや、スカートをはいていてもまたぎやすい設計が特徴。会員登録、もしくはクレジットカードだけでもレンタル可能で、30分ごとに10元ほどで利用できるというリーズナブルさも魅力。台北市を健康的な先進都市に育てたいという思いから始まった取り組みはほかの都市にも広がり、最近では南部の大都市・高雄でも「C-Bike」というレンタサイクル事業がスタート。世界中から視察も多く訪れているというYouBike、台北に行かれる方はぜひ活用を!
台湾は高山烏龍茶や凍頂烏龍茶など、お茶の名産地として知られていますが、最近では台湾産のコーヒーも人気を集めているようです。
台湾でコーヒー栽培が盛んになったのは、日本統治時代のこと。大規模な栽培ではなかったものの、皇室にも献上された記録があるほどのクオリティだったといいます。台湾でコーヒーを飲む文化が根付かなかったことや、コストの安い中南米産の流入などにより、戦後の一時期は台湾コーヒーの生産量は激減しますが、2003年にはコーヒーフェスティバルといったイベントが開催され、再びコーヒー文化が脚光を浴びるように。現在はコーヒー専門店も増え、台湾中南部や東部の山間部で栽培されるMade in Taiwanのコーヒーに目を向ける動きが活発になっているのだそう。

最後に、進化を続ける台湾カルチャーの発信基地をご紹介。「誠品書店」という本屋さんは、台湾全土、さらに香港にも展開する台湾を代表するカルチャースポット。なかでも2006年にオープンした旗艦店「誠品信義店」は、地上6階、地下2階のビルのなかに、24時間営業の本屋から、衣・食・住にまつわるさまざまなテナント、フードコートやギャラリースペースまで集約した“知のテーマパーク”となっていて、世界中の出版関係者が「ここには書店の未来がある」と絶賛。東京・渋谷にある代官山蔦屋書店のモデルになったともいわれているんです。
最近では映画館や劇場まで備えたライフスタイルショップ「誠品生活」や、5,000冊以上のライブラリ、アーティストの作品も数多く陳列するホテル「誠品行旅」もオープンし、台湾文化や世界のクリエイティブを楽しめる拠点として拡大し続けています!
台湾といえば、おいしい食やマッサージなどのリラクゼーションについ目が行きがちですが、魅力はまだまだつきないもの! 秋の行楽シーズン、少し足を延ばして台湾へのショートトリップを計画してみてはいかがでしょう?
参考文献(順不同) 伊藤潔「台湾 四百年の歴史と展望」(中公新書)/片倉佳史「台湾に生きている『日本』」(祥伝社)/WCG編集室編「ワールド・カルチャーガイド⑩ 台湾 タイワニーズは前進あるのみ」(トラベルジャーナル)/台湾情報誌「交流」(2013年7月号、2013年8月号)/吉田友和・鈴木夕未「週末台湾!」(平凡社)/丸屋九兵衛「史上最強の台北カオスガイド101」(スペースシャワーネットワーク)/その他、台湾観光協会、台北ナビ、日本貿易振興機構 等