私たちが中学校や高校で身につけた教科書英語の中には、ネイティブの人から誤解を受けたり、丁寧なはずのニュアンスが乱暴に聞こえてしまうものがいくつもあるのだそう……。そこで、今回は日本で30年近くの豊富な英語教授経験を持つ、米国出身のデイビッド・セインさんに、日本人がつい使ってしまう表現と、ネイティブの人が使う自然な表現の違いを教えてもらいました。これをマスターすれば、英語での会話が楽しくなるはず!
外国人旅行者が増え、日本国内にいても英語で話す機会は増えています。ここでは日常生活でありがちな、シチュエーション別の英語表現をご紹介します。
How are you? は、形式的で冷たい表現。社交辞令的に聞かれているイメージなので、良い返事がかえってきません。その点、How are you doing? はフレンドリーな言葉。ちなみに、“Hello”と“Hi”はどちらを使っても構いません。
“fine”は、「良い」よりも「悪くはない」という意味。医者から体の調子を問われたときに、病状が悪化していない場合などに使います。Couldn’t be better. は「最高だよ!」という意味で、気分がとても良いときに使います。
My name is~ は大勢の聴衆を前に話すときや警察に名前を問われたときなどに使う表現です。また、日本人が英語圏の人に名前を伝えるときは、どこまでがファーストネームなのかがわかりづらいので、2回繰り返すと伝わりやすいでしょう。
外国へ旅行したときにうっかりと使ってしまいそうな、間違えやすい英語を集めてみました。みなさんは問題なく使えていますか?
日本人が「まけてください」というときは具体的な数字を出さないほうがいいイメージがありますが、外国で交渉の際にはまず希望を伝えないと、「じゃ、1円でもまければいいの?」と思われてしまいます。また、Discount please! 自体が乱暴に聞こえる表現です。
Can I wear this? は、「着て帰っていいですか?」の意味になってしまいます。試着は“try this on”と覚えておくのが便利です。Do you mind if I~? は直訳すると「~したら困りますか?」と、人に依頼する場合の丁寧なニュアンスを含んだ表現です。

It’s too expensive. と言うと、自分の懐事情に関係なく、「価格自体が高すぎる」と難癖をつけているように聞こえてしまいます。“for me”をつけると、そのような誤解がなくなります。
日本語では、言葉の意味や目上の人に尊敬の念を表すことが重視されていますが、英語はそれを言うときの表情や言い方、フレンドリーさが重視されます。特に日本人の場合は、多少間違った英語を使っても許されることが多いので、その分表情でニュアンスを伝えることが大切です。例えば、おいしいものを食べたときは笑顔、困ったときは困った顔をすれば、言葉の意味が間違っていても大丈夫。間違ってはいけないからとおずおずと話すと、不機嫌なのかと思われかねません。
また、It’s okay. やI don’t know. やReally? などの表現もすべてその前に“Oh”をつければ、感情豊かで前向きなニュアンスの言葉に変わります。言葉が出てこないときは、使ってみるとよいでしょう。

監修 デイビッド・セイン さん
米国出身。日本での30年以上の豊富な英語教授経験を持ち、これまで教えてきた日本人生徒数は数万に及ぶ。現在は、英語を中心テーマとして様々な企画を実現する「エートゥーゼット」を主宰。東京・根津と春日にあるエートゥーゼット英語学校の校長も務める。著書に『日本人のちょっとヘンな英語』『「ごちそうさま」を英語で言えますか?』(以上アスコム)など多数ある。
公式サイト https://www.smartenglish.co.jp
