「メルカリ」をはじめとするフリマアプリは、うまく活用すれば、お目当てのアイテムを安価でゲットできたり、不用品の処分でうれしい臨時収入にもつながります。最近では野菜や果物の出品も増加しているとか……。とはいえ、いざ使うとなると手続きが面倒くさそうと感じている人もいるのではないでしょうか。今回はフリマアプリの基本的な使い方や賢い活用方法を、フリマの達人・川崎さちえさんに聞きました。
インターネット上のフリーマーケットにおける売買をワンストップで完結してくれるアプリのこと。スマートフォンにアプリをダウンロードすれば、売りたいアイテムの出品からほしいものの値段交渉、売買、質問までできます。売る人も買う人も、状況にしたがって空いた時間にやりとりすればいいだけ、と実際のフリーマーケットやお店に行く暇がない人にとって便利に利用できるアプリです。
月間利用者数が国内で1000万人と圧倒的な利用者を誇るフリマアプリ。出品数が多く取引スピードも速いのが特徴です。
楽天との提携によって楽天スーパーポイントが利用できる、メルカリと並んで人気のアプリ。販売手数料が3.5%と安いため、全体的に価格が抑えめな傾向にあります。
書籍やマンガ、教科書などの本に特化したフリマアプリ。本の裏表紙にあるISBNバーコードを読み込み、価格や状態を設定するだけで出品できます。
都道府県別や市区町村別に情報がまとめられた地域性の高いWEB掲示板。「売ります・あげます」というカテゴリーでアイテムの売買のほか、無料譲渡のやりとりができるのが特徴です。
フリマアプリの代表格である「メルカリ」のダウンロード数は、国内外あわせて1億超! 累計流通額も1兆円を突破しています。カテゴリー別の販売額シェアは「レディース」がトップであることから女性の利用者が多く、実際に20~30代の女性が出品しているであろう洋服やコスメ、ベビー・キッズグッズのアイテムをよく見かけます。また、最近はシニア世代の利用者も徐々に増えているという話も。近年、浸透している生前整理や資産の多さがその背景にあるようです。フリマアプリ市場はますます活況を呈してきているといえます。
日本でフリマアプリが誕生したのは、2012年。最初に登場したのは「フリル」という女性向けのアプリでした。その後、「メルカリ」や「ラクマ」が登場して一気にブームになりました。もともと、インターネットオークション上で個人間取引は行われていましたが、ここまで浸透した理由の1つは、片付けや断捨離がブームになって、個人の不用品処分によるマーケットが生まれたこと。中古品に抵抗のない世代が増え、特に子育てをしている20~40代の女性によって、子ども服やイベントごとで使ったアイテム、化粧品の売買が活発になったことで、男性が利用することの多かったインターネットオークションとは異なる需要を喚起できたことが理由として考えられます。
自宅には不用品が案外あるものです。子どもが小さい頃に使っていたおもちゃや洋服、使いきれなかったコスメ、読み終わった書籍、買い替えで使わなくなった家電などさまざま。これらはゴミとして捨ててしまえば1円にもなりませんが、出品することで少しでもお金になる可能性があります。片付けや断捨離をしたいと思い立ったときに、手軽に利用できるのもフリマアプリのメリットです。
スマホ1台で空き時間に売買を完結でき、仕事や子育てで忙しくてなかなか不用品を売りに行けない人や買いに行く暇がない人にこそ便利なサービスです。また、欲しかったアイテムを安価でゲットできるチャンスがあるのもフリマアプリのいいところ。高級ブランド品や高級家電、トレンドの洋服などが、新品やほとんど使われていない状態で見つかることもよくあります。手が出ないと思っていたものも、フリマアプリを使えば手に入れられるかも?
フリマアプリは、フリーマーケットがもとになっているため、値下げ交渉が一般的。出品時よりも価格が下がりやすくなっているのが、落札したい人が増えるほど出品価格が値上がりしていくネットオークションとの大きな違い。そのため、最近はインターネットオークションの「ヤフオク!」でも「フリマ出品」が始まるなど、フリマアプリのブームに追随したサービスが出てきています。おおまかなサービスの違いを以下にまとめてみました。
以下は、「メルカリ」をベースにした基本的な使い方です。ほかのフリマアプリでもポイントは大きく変わりません。
iPhoneはApp Store、AndroidはGoogle Playからアプリをインストール。会員登録を済ませ、自分のプロフィールを編集します。
カテゴリーやブランド、キーワードからほしい商品があるかどうかを検索。サイズや出品者の評価を確認します。
商品説明だけではわからないことなどはコメントで質問します。値下げを希望するときもコメントで値下げ可能かどうか聞いて、希望額を提示。極端な値下げではなく10%オフくらいを目安にしましょう。
購入を決めたら、購入手続きを進め、最終確認して「購入する」をタップすると購入が完了します。
購入が完了したら出品者にお礼のメッセージを送ります。出品者からも発送のお知らせが届くので商品を受け取ります。その後、受取評価をすると逆に出品者からも評価されます。これですべての取引は終わりです。
家のなかを探して出品できそうなものを探します。出品できるものとできないものがあるので、それらはサイトをチェックしてみましょう。
出品するにあたっては、出品物、スマホなどのデバイス、銀行口座が必要です。それらの準備が整ったら、値段を決めます。値段は、販売手数料や振込手数料、送料、値下げされる額を含めて考えましょう。
商品画像を撮影して登録。商品の説明も行い、検索のキーワードになりそうな言葉を入れたり、色や汚れ・傷の有無などを書きます。
購入者から質問のコメントや値下げ交渉がくるので、やりとりします。値下げは10%オフくらいまでなら応じるのがベターです。
商品が売れたら購入者にお礼コメントを送ります。商品を梱包して発送準備が整ったら、発送完了のメッセージを送ります。
購入者から受取評価をされた後に出品者も購入者を評価します。すると売上金がフリマアプリにプールされます。自分の銀行口座に入れたい場合には、売上金の振込申請をします。
出品していいものとダメなものは、それぞれのアプリに書いてあるのでチェックしてみましょう。代表的な例はこちらです。
使わなくなった洋服や食器・化粧品、書き込みのある参考書、ノートパソコンの電源アダプタ、マンガや雑誌の付録、野菜や果物※
※生の食肉や魚介類、保健所許可や営業許可などがない食品の出品は禁止
学校や企業の制服、サプリメントや医薬品、商品券や現金、自家製の食べ物、開封したお酒や食品、タバコ
フリマアプリは、画像や説明文での購入判断がほとんどなので、傷や汚れを隠したり、ウソを書くと後々トラブルに。返品や返金といった面倒なことになります。また、偽ブランド品を出品するのは、厳しく取り締まられています。
商品説明文には、検索のキーワードとなるような言葉を盛り込むのがコツ。どんな人向けか、どんなシーンで使用するかを書いたり、ブランド品であればアルファベットだけでなくカタカナでも表記するなど工夫します。ただ、キーワードの羅列は禁止されているので、うまく文章にしましょう。
また、画像ではわかりにくい点を補足するのもポイント。洋服なら、色や素材、洗濯できるかどうかを書きます。ダーク系の色は画像ではわかりにくいので、たとえば濃紺なのか濃い紫なのかを言葉で説明し、素材も書いておくとよいですね。
画像を見栄えよく撮影するためには、自然光を利用するのがベスト。天気のよい午前中に窓際で撮ると、きれいに撮れます。画像は購入を決定する手段になるので、いいところも悪いところもわかるようにしましょう。アイテム別のポイントは次のとおりです。
全体のデザインがわかるように撮るのが一番のポイント。床に置いて撮影するのも問題ありません。トップスの衿元や袖口、パンツのヒザ部分など使用感がわかる部分も撮影しましょう。
全体の写真を撮るときは、ハンドル部分をドアノブに掛ける、中に詰め物を入れるなど持ったときの印象がわかるようにします。そのほか、留め具やストラップの接続部分といったディテールも忘れずに。機能性をアピールするためにも、マチや内ポケットの数が分かるように撮影を。
全体を撮影するときは使用時のイメージがわかりやすいように撮影しましょう。それ以外は、機能や傷みやすい部分を写真で撮るのがポイント。特徴的な機能がわかる部分をアップにしたり、コードの付け根部分を撮影しておくのもポイント。
載せられる画像には制限があります。汚れや傷が多い場合やポイントとなる部分がたくさんある場合は、複数の写真を1枚の画像にまとめてくれるコラージュアプリを利用しましょう。
旬の季節になると、農家さんからワケありの野菜や果物が、箱単位でお得に出品されています。みかんやりんごなど、保存のきく果物は大人気。きのこや野菜類は、カットしておけば冷凍できるものがおすすめです。
洋服のなかでもアウターは高いので新品の購入はためらってしまうもの。そこで、デザインやトレンドに左右されにくく、くたびれた印象にもなりにくいダウンやウィンドブレーカーなどのアウターはフリマを活用して購入しています。
ダイソンやバルミューダなどの人気家電の型落ちは意外と安価で出品されています。また化粧品も自分に合わなかったという理由で新品同様のものが出品されているケースも! 自分がいつも使っているものなら、さらにお買い得です。
2003年にネットオークションを利用しはじめたことをきっかけに、家庭のさまざまな不用品を出品。出品テクニックを身につけ、ネットオークションを生活のインフラとして上手に活用。最近は、ネットフリマにも注目し、そのテクニックに注目が集まっている。メディア出演多数。著書に『できるポケット メルカリのコツ 月3万円おトク! スキマ時間で稼げる』(インプレス)がある。
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