おとなの補習時間[おとなのためのSNS作法]

いまや私たちの生活に浸透しきっているSNS。新しいサービスや機能が次々に登場するだけあって、ルールやマナーを知らないとトラブルの原因になることもしばしば……。そこで今回は、ITジャーナリストの高橋暁子さんに、いまさら聞けないSNSの作法をサービス別に教えてもらいました!

Facebook

基本的に実名で登録する必要があり、投稿内容の公開範囲も細かく設定できるSNS。ネット上でリアルな人間関係を構築できるのも特徴で、国内利用率は35.3%とLINEに次いで高い(※)。


Instagram

スマホで撮影した写真や短時間の動画を加工し、テキストやハッシュタグ付きで投稿することが基本のSNS。若い女性を中心に近年ユーザーが急増している。


LINE

Twitterのように投稿内容が表示されるタイムラインも存在するが、電話やメール、メッセージアプリに代わるコミュニケーションツールとして利用者が多いSNS。国内利用率は37.5%ともっとも多い(※)。


Twitter

実名でも匿名でも複数のアカウントを持つことが可能なSNS。140字という限られた文字数での「ツイート」(テキスト投稿)が主流で、最新のニュースにリアルタイムで触れられる情報収集ツールとしても活用可。

※総務省「平成27年度版 情報通信白書」を参照

Facebookの作法

自分のプライバシーは守られている?

プライバシー設定から確認してみましょう。

Facebook(以下、FB)にはプライバシー設定を確認できる機能があります。それぞれの項目が希望どおりになっているか、定期的にチェックすると安心です。

設定方法(PCの場合)

TOPページ右上のカギのマーク「プライバシーショートカット」をクリック→「プライバシー設定の確認」「私のコンテンツを見ることができる人」「私に連絡を取ることができる人」をそれぞれ確認する。

設定方法(スマホの場合)

TOPページの「その他」をタップ→「プライバシーショートカット」→「プライバシー設定の確認」「私のコンテンツを見ることができる人」「私に連絡を取ることができる人」をそれぞれ確認する。

プライバシー設定が「公開」になっていると、名前を検索すればFB利用者以外でも投稿やプロフィールを見られます。それを避けたい場合は、公開範囲を「友達」までにとどめておきましょう。プライバシー設定を終えたら、自分のタイムラインが他人にどう見られているかを確認できる「プレビュー」をチェックしてみましょう(PCのみ)。

上司や取引先から友達申請がきてしまったらどうする?

2つの対処法を検討してみましょう。

仕事関係の人とはFB上でつながりを持ちたくなくても、無視してしまうと実生活での関係性にも影響が出てしまう恐れがあります。これまでどおりFBを利用したい場合、以下の2つの対処策を検討してみてはいかがでしょう?

❶ 代替サービスでのつながりを提案する

FBで友達になりたくない場合、「FBはプライベート専用なので、ほかのSNSでつながっていただけますか?」など、代替サービスでのコミュニケーションを提案してみましょう。例えばTwitterは複数アカウントの作成が可能なので、仕事に差し支えのないアカウントをつくることもできます。

❷ 友達承認して、制限リストに入れる

FBの友達承認をする場合、投稿を振り分ける機能「制限リスト」を利用します。制限リストに仕事関係の人を入れておけば、FB上で友達になっていても、自分が「公開」投稿したものしかその人のタイムラインには表示されません。

なお、仕事関係の人の投稿も見たくないという場合は、フォローをはずせばタイムラインに表示されなくなります。

友達や子どもの写真は投稿しないのがマナー?

勝手な投稿は控えるのが鉄則。

まず、顔写真は個人情報であるということを認識しましょう。友達と一緒の写真を投稿したいときは、その写真を投稿してもOKかどうか確認をとってからアップします。許可を得ていない場合は、顔部分をスタンプなどで隠して投稿してトラブルを避けましょう。子どもの写真についても、自分の子どもの写真を保護者の責任においてアップするのは問題ありませんが、公開範囲を友達のみ、または成長を知らせたい友達だけに投稿を絞ったほうが安全です。なお、友達や知り合いの子どもの写真は、勝手に投稿したり、許可を得ても個人が特定されるような投稿はやめましょう。

Instagramの作法

投稿するときの注意点は?

位置情報と写真の写り込みに注意。

投稿するときは位置情報をONにしていると、自宅などの個人情報を推測される可能性もあります。位置情報の記録は、各スマホの初期設定やInstagramの投稿時に追加するかしないかを選択できるので、できるだけ無効にするのがトラブル回避のポイント。また、写真の背景にも注意が必要です。自宅や会社の場所、パスワードなど個人情報が特定できるものが写り込んでいないか、リリース前の新製品情報や守秘義務のあるものが写り込んでいないかをアップする前に確認しましょう。

インスタはテキストも重要?

ハッシュタグを活用すると楽しいかも?

Instagramでは、投稿をキーワード検索できるように、半角の「♯」に続けてキーワードを挿入するハッシュタグと呼ばれる機能があります。キーワードを検索される回数が多ければ、たくさんの人に見られ、多くのフォロワーを獲得できる機会となりますから、フォロワーを増やしたいなら、ハッシュタグのつけ方は重要。ハッシュタグは上限30個まで入れることができますし、日本語だけでなく英語を使ってみることで、世界の人とつながれるかもしれません。最近はお笑い芸人さんを中心にハッシュタグを“文章化”しているケースが見られますが、これは写真やテキストの“オチ”をハッシュタグで伝えるというテクニック。おしゃれなレストランで人気のメニューの写真をアップした後に、「♯でもぼっち飯だけどね」などと投稿し、“リア充”なイメージを笑いに変えて好感度をあげるというもの。若い人のあいだでも楽しまれている遊び方です。

インスタをセンスよく楽しむには?

撮り方やフィルターの使い方を試行錯誤して。

Instagramは、なんといってもビジュアルが勝負。きれいでおしゃれな写真をアップすることが第一条件といわれています。そのため、写真の撮り方を工夫し、簡単に写真を加工できるフィルター機能を試して素敵に仕上がるようにしましょう。ただし、センスのある写真をアップしてフォロワーが増えたからといって、職場の若い後輩のアカウントを見つけて気軽にフォローするのは考えものかもしれません……。

LINEの作法

すぐに返信できないとき、既読をつけるのはマナー違反?

信頼関係が築けていたら大丈夫でしょう。

お互いに信頼関係が構築できているのであれば「仕事が忙しいから返信が遅くなっているのだろうな」「お子さんが小さいからなかなか返信できないのね」などと考えて、「既読スルー」(受信内容を読み「既読」をつけたにも関わらず返信しない状況)が問題になることはないでしょう。ただし、比較的自由な時間があるのに返事が来ないと、心配する人もいるようです。こうした場合は、返信が遅いことをあらかじめ伝えておいたり、既読をつけずにメッセージの内容を表示する設定をONにしてLINEアプリを起動しなくてもトークが読めるようにしておき、返信できるときに既読をつけるとよいでしょう。なお、端末のLINEアプリの通知設定もONにしておく必要があります。

〈設定方法〉

LINEのメニュー画面で「設定」→「通知」→「メッセージ内容表示」をONにする

仕事の連絡をLINEでする際に注意することは?

丁寧なやりとりを心がけましょう。

LINEはプライベートで利用されることの多いサービスですが、SMS(ショートメッセージサービス)のように緊急連絡用に利用されたり、会社内での連絡網としてグループトークを活用することもあります。上司やクライアントとやりとりするのであれば、ビジネスメールのように丁寧なやりとりを行うのが正解。LINEスタンプはフランクすぎるので、送らないほうが無難でしょう。なお、LINEで仕事関係の人とつながりを持ちたくない場合は、電話番号で自動追加されないように設定を変更してみましょう。

〈設定方法〉

LINEのメニュー画面で「設定」→「友だち」→「友だち追加」「友だちへの追加を許可」をOFFにする

グループトークでほかの人の発言がわずらわしい……

通知をオフにするのもひとつの手です。

3人以上のグループでメッセージなどのやりとりができる「グループトーク」。この機能を大人数での連絡網として使っている場合、メッセージの受信を知らせる「プッシュ通知」をONにしていると、自分に関係のない発言も通知されてわずらわしく感じることがあります。その都度、通知の必要がない場合、特定のグループの通知だけOFFにするのもひとつの手です。

〈設定方法〉

LINEのメニュー画面で「友だち」をクリック→グループを選択→画面右上のメニューから「通知OFF」を選択

また、グループトークから抜けると「○○が退会しました」と表示されるため、退会しづらいという話も聞きます。その場合は、「イベントが終わったから抜けていいですか?」「またイベントをするときは改めてよろしくお願いします」などとひと言コメントしてから退会すれば、印象も悪くならないでしょう。

Twitterの作法

引用リツイートするときに気をつけたいことは?

正しい情報かどうかの確認をお忘れなく。

世間の人があっと驚くようなニュースをTwitter上で見つけると、反射的にリツイート(他のユーザーのツイートを、自分のフォロワーに届けること)したくなるものですが、間違ったリツイートは悪質なチェーンメールのようなもの。その情報が正しいかどうかを確認するひと手間が必要です。情報元のつぶやきやアカウントが信頼できるものであるかをチェックした上で、インターネットや新聞などでそのニュースが事実かどうかを確認することも大切です。もし、デマの情報をリツイートしてしまった場合は、自分のタイムライン上で謝罪した上で削除し、事態の収束をはかりましょう。

フォロワーが少なくても“炎上”するってホント?

本当です。

TwitterはLINEなどと違い、インターネットで検索すれば基本的にはどんな人でも見られるもの。実際に炎上した人の大半はフォロワーが少ないがゆえに、LINE感覚で気軽に悪ノリ投稿をしてしまい、炎上しているのです。世の中には炎上しそうなネタを探し、それを叩く人がいることを知りましょう。有名企業で働くビジネスパーソンや公務員、有名大学出身者などは、「経歴があるのにこんな発言をしている」と叩かれやすいのも特徴です。炎上の火種となりやすい発言は、違法行為やマナー違反、差別や中傷、批判、性的なものや不愉快なもの、守秘義務違反が代表例。くれぐれも注意しましょう。

今年はTwitterの機能強化に注目?

SNSの新機能といえば、今年はTwitterの機能強化が目立って報道されているようです。Twitterといえば140字という限られた文字数で楽しむSNSでしたが、返信ツイート(@ユーザー名)や、写真添付や引用リツイートにちなむ短縮URLの文字数などがカウントされなくなったことで、140字制限をより有効に活用できるようになりました。また、添付できる動画の長さも30秒から140秒に延長。投稿する写真に木の実のステッカー画像を貼れる機能なども追加されています。ルールやマナーを守りながら、より便利になっていくSNSを活用したいものですね。

監修:高橋 暁子 さん

ITジャーナリスト/LINE、Facebook、Twitter等のSNSや情報リテラシー教育に詳しく、知識だけでなく、SNSをビジネスにつなげる方法も書籍やメディアでわかりやすく伝えている。『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』『ソーシャルメディア中毒』等著書多数。最新刊は『Twitter広告運用ガイド』。テレビ・新聞・雑誌・ラジオなどのメディア出演多数。https://akiakatsuki.com/

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