毎日お世話になるものでありながら、当たり前すぎてなかなか意識できないのが「トイレ」。とはいえ、いざ目を向けてみると、外国人観光客や海外セレブから日本製の温水洗浄便座が人気を集めていたり、ユニークなトイレが観光地化されていたりとなかなか奥深い世界が広がっています。そこで今回の「Trace」では、トイレにまつわるさまざまなお話を深掘りしてみました!
いまやトイレといえば、水力を利用する水洗トイレを思い浮かべる方がほとんどでしょう。国内の家庭の9割以上に普及したおなじみのトイレですが、実は日本では古い歴史を持っているのだそう。
古代より日本では川に直接用を足す「川屋」や、地面に穴を堀り込んだ汲み取り式のトイレなどが存在していましたが、奈良県御所市にある南郷大東遺跡から、水洗トイレの機能を持つと思われる古墳時代の遺構が見つかっているんです。
「トイレではないか?」と考えられている理由は、小川の流れを利用した木製の導水施設に設けられた覆屋(おおいや)の周囲から、人間の排泄物に由来する寄生虫卵が検出されたため。日本人は古墳時代から清潔なトイレにこだわっていたのかも?
日本で初めて近代的な和式・洋式の水洗トイレが製造されたのは、1904(明治37)年のこと。それから現在まで、多くの家庭や施設で陶器製トイレが使われています。
そもそも陶器製トイレが普及したのは、陶器はほかの素材に比べて傷がつきにくく、撥水性も高いため汚れが溜まりにくい、さらに、人間の体重を支えるだけの丈夫さがあることなどが理由に挙げられるようです。
そんなトイレの製造方法は、陶器製の食器や小物などとほぼ一緒。陶石や粘土に水を混ぜ、型に流して焼き上げるわけですが、陶器は高温で焼き上げる過程で5〜10%ほど縮んでしまうため、均一な製品を造り上げるのには熟練の技術が求められるのだそう。近年は陶器に比べて水垢がつきにくく、成形しやすい樹脂製のものも登場していますが、私たちが当たり前のように使っているトイレは、長い年月をかけて培われた匠の技に支えられているんですね。
ここで珍しいトイレをご紹介。1964年の東京オリンピックのメーンスタジアムとなった旧国立競技場には、なんと、女性でも立ったまま小用が足せるトイレがあったんです!
「サニスタンド」と呼ばれるトイレは、1920年代のアメリカで生まれた男女兼用の小便器で、男性は便器のほうを向いて、逆に女性は便器に背を向けて使用するというもの。日本では1950年代初頭から発売されており、旧国立競技場では、100メートルトラックのスタートライン近くにある地下トイレに設置されていました。ウォーミングアップした女性選手にとっては、腰を下ろす必要がある洋式トイレよりも体力的なロスが少なく、短時間で済ませることができるため、重宝されていたのだとか。
世界をもてなす日本のトイレといえば、海外セレブにも愛用者が多く、日本を訪れる外国人観光客の定番お土産にもなっている温水洗浄便座。TOTOから発売されている「ウォシュレット」という名称が定着していることから、日本生まれの商品と思われがちですが、実はこれ、アメリカで医療用・福祉用に開発されたものなんです。
1964年に東洋陶器(現 TOTO)や伊奈製陶(現 LIXIL)が海外製の温水洗浄便座の輸入販売を始め、1967年には伊奈製陶が国内初の製品を発売。その後は東洋陶器も国産化に踏み切り、1980年に「ウォシュレット」がリリースされます。その後、温水の温度調整や着座センサー機能、ビデ機能や消臭・脱臭機能、音楽再生機能を搭載するなど、日本で独自の進化を遂げ、世界からも注目されるようになったのです。
いまでは日本の家庭の8割近くが導入している温水洗浄便座ですが、TOTOの初代ウォシュレットは、「新しいトイレ習慣を創造し、国民生活に対して貢献した機械」として歴史的価値が認められ、2012年には日本機械学会により「機械遺産」に認定されているほどなんです!
日本のトイレの素晴らしさは便座だけにあらず! ここでは世界に誇れる国内の豪華トイレをご紹介しましょう。
愛知県刈谷市の伊勢湾岸自動車道にあるパーキングエリア「刈谷ハイウェイオアシス」で人気を集めているのが、女性専用のデラックストイレ。絨毯が敷かれた約50畳のリラックスルームにはソファやテーブルが完備され、フラワーアレンジメントなどの演出も。このトイレ目当てで立ち寄る人も少なくないようです。
JR札幌駅の真上にある「JRタワー展望室」に設置された眺望トイレは、「圧倒的開放感を独り占め」というコンセプト通り、地上160メートルから札幌市内を一望することができるもの。夜空に瞬く街のイルミネーションを楽しみながら、ホッと一息つけるなんて贅沢ですね。
兵庫県明石市のレストラン「ムーミンパパ」の女性専用トイレは、四方が水槽で囲まれた海中トイレ! 魚や亀が泳ぎ回る姿を見ることができるトイレは、約3000万円の工事費用がかかったそうですが、お店の集客にも好影響を与えているとか。
人の一生を80年とすると、トイレで過ごす時間は3年にも上るという調査があります。それだけの時間を過ごしているのに、なかなか知らないことが多いもの……。次ページでもトイレにまつわるお話は続きます!
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