お取り寄せグルメ全盛期！

郵便、電話、インターネットなどを通じてグルメ商品や地方の名産食品、お酒などの飲料を自宅に配送してもらう「お取り寄せ」。今回の「Trace」では、日本の食卓はもちろん、世界の食卓をも豊かに変えようとしているお取り寄せグルメの魅力に迫ります！

江戸幕府を開いた徳川家康。実は彼が“お取り寄せ愛好家”だったという話があるんです！　無駄な事が大嫌いな吝嗇（りんしょく）家としても知られる家康は、健康を第一に考え、麦飯と栄養価の高い八丁味噌を中心にした質素な食生活を好んでいました。そのため、三河国から江戸に移って以降も、食べ慣れた八丁味噌をお取り寄せしていたのだそう。平均寿命が30代後半だったといわれる時代に、数え75歳まで生きた家康。長生きの秘訣は、こだわりのお取り寄せグルメにあったといえるかもしれません。

さて、時代は江戸から現代へ。みなさんはお取り寄せグルメを楽しんだことがありますか？　公益社団法人日本通信販売協会の調査によると、ネット通販を利用する人で何らかのお取り寄せグルメを購入したことがある人は、全体の約6割（57.3％）。そして、お取り寄せグルメの経験者は年代が上がるほど割合が高くなり、40代を超えると7割以上の人がお取り寄せグルメの購入経験があるんです！　年齢を重ね、舌が肥えれば肥えるほど、お取り寄せグルメにハマっていくのかもしれませんね。
ちなみに、同調査によると、お取り寄せグルメで一番人気の商品は「洋菓子・スイーツ」（47.3％）で、2位の「コーヒー・茶・ジュース」（25.8％）以下を大きく引き離しています。一方、「お取り寄せをしてよかった・感動した」と回答した人が一番多い商品は「エビ・カニ」で、2位が「明太子・たらこ・いくら」、そして3位に「洋菓子・スイーツ」。海に囲まれた国に暮らす私たちは、新鮮な魚介類にやっぱり反応してしまうのかも？

2016年には10兆円を超える市場規模になると予想されている通信販売。なかでもお取り寄せグルメ（食品・産直品通販）の市場は推定1兆8400億円と、通信販売全体の約2割を占めるまでに成長すると考えられています。（※）
お取り寄せグルメの市場が拡大している要因は、なんといってもインターネットの普及。これまでもお中元やお歳暮を中心としたカタログ通販や、小売店の直売等でお取り寄せは親しまれていましたが、2000年代に入ると「楽天市場」や「Amazon.co.jp」をはじめとするオンラインショッピングモールでの食品取り扱いが本格化。自宅にいながらPCやタブレット端末でゆっくりと食品を吟味し、「これぞ！」という逸品を購入するスタイルが広く定着しました。
雑誌やテレビ、お取り寄せに特化した口コミポータルサイトなどから、旬なお取り寄せ情報は連日発信されていますし、2011年からはお取り寄せグルメをテーマにしたマンガ『おとりよせ王子飯田好実』（作・高瀬志帆）も連載スタート！　お取り寄せグルメは一大ムーブメントとなっているんです。
※株式会社富士経済HP参照