進化するラジオ

ラジオのトリビア

生活する中でもラジオという言葉を聞く機会は少なくありません。こちらでは、ラジオのトリビアをご紹介。
ラジオ好きでなくとも、思わず人に話したくなるネタが満載です。


ラジオ体操はアメリカの 保険会社のPRだった?

「NHK放送」にて毎朝放送されているラジオ体操。この起源はアメリカの生命保険会社で行われていた健康体操でした。 1923年、逓信省が国営の簡易保険事業を始めるにあたって、職員がアメリカ視察に訪れ、電波を使って国民に体操を促す仕組みを見ました。その仕組みを日本でも取り入れようと逓信省にアピールし、日本人の体格向上のための体操が開発されました。第1回の放送は1928年11月1日の朝7時。昭和天皇ご即位の記念行事として「国民健康体操」という名称で、NHKから放送されました。現在のラジオ体操は1951年に発表されたもの。10年ごとに行われる周年記念行事では、毎回1000万人でラジオ体操をする「ラジオ体操祭中央大会」が行われています。

あのFM局のルーツは大学の放送部!?

名古屋の「FM愛知」からスタートした民間のFM放送。しかし、それより9年も前に試験放送を行っていたラジオ局がありました。それが、東海大学のFM実用化試験局「FM東海」です。東海大学はテレビやラジオを使った学生向け大学教育の研究を行っていたこともあり、ラジオ局開局に熱心に取り組んでいました。1957年にはFM放送実験局開局認可を郵政省に申請し、翌1958年には「東海大学超短波放送実験局」として放送を開始したのです。しかし、その後資金不足などで廃局に。その実験局免許を引き継いだのが現在の「TOKYO FM」です。こういった関係もあり、東海大学は現在も同社の筆頭株主になっています。

ラジオの人気を測る聴取率って何?

テレビでは視聴率が人気の指標となりますが、ラジオの場合聴取率という数字がそれに該当します。聴取率とは個人聴取率のことで、ある時間帯にラジオが個人に聴かれていた割合です。テレビは自宅で観賞されることがほとんどなのですが、ラジオの場合、外出先、移動中など、聴かれるシーンが多いことから、記入式のアンケート方式が採用されているそうです。例えば、首都圏であれば東京駅を中心に35km圏内に住む人を無作為に抽出して、アンケートを行います。その数値を放送エリアの人口にかけ、大体の聴取者数を計っています。期間は数ヵ月から1年に1度(地域によって異なる)で、1週間の数字を調査。首都圏であれば2ヵ月に1回行われており、その期間は「スペシャルウィーク」、「レーティング」と呼ばれ、番組が特別仕様になります。

夜になるとクリアに聞こえるAMラジオの仕組み

AMラジオの電波は各局の送信アンテナから空に放たれ、電離層に跳ね返されてラジオ受信機に届きます。電離層とは大気の上層にあって、電子密度が大きく、電波を反射する層のこと。高度によって電子密度の違いが生じ、下から順にD層(70〜90km)、E層(90〜130km)、F1、F2層(130km以上)と分けることができます。昼間はD層の働きが活発なため、ラジオ電波の速度が減衰してしまい、遠くまで届きません。一方、太陽の影響が弱くなる夜間は電波がE層まで届くため、昼間とは比べ物にならないほど電波が飛ぶのです。よく、深夜に海外のラジオが聴こえたという話がありますが、その裏には、このような現象があったのです。

遠くのラジオが聞こえたらカードがもらえる?

電波の性質上、ラジオがこえる範囲には限りがあります。しかし、上記のAMラジオの仕組みでも触れたように電波の状態によって遠くのものがこえることもあります。もし、遠くのラジオ局の音声がこえたら、聴いた局やコールサイン、周波数、受信した日時などを記入する「受信報告書」を提出してみましょう。ラジオ局によっては、その証明として「ベリカード」という受信確認証を贈呈してくれます。ベリカードは所在地にちなんだイラストがあしらわれているものも多く、周年記念の限定モノもあります。


あるラジオパーソナリティが「ラジオの魅力は一対一のメディアであること」と語っていました。ラジオを取り巻く環境は変わっても、その本質は変わることはありません。もし、最近ラジオ聴いてないな〜という方がいれば、是非一度耳を傾けてみればいかがでしょう。通勤中や家でのリラックスタイム等々。きっとあなた日々の生活を豊かにしてくれるはずです。

取材協力

三才ブックス ラジオライフ別冊編集部

ラジオパーソナリティからラジオ機器までを網羅する、唯一無二のラジオ総合情報誌「ラジオがもっと楽しくなる本」、「ラジオマニア」を発行。また、春と秋には全国105局のラジオ局が発行する最新タイムテーブルを掲載する「ラジオ番組表」も手がける。2014年4月26日には「ラジオ番組表2014年春号(¥1,000+税)」を発売予定。

参考:一般社団法人 日本民間放送連盟

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