芸能界屈指のバットマンファンとして知られる山田さん。今回、映画『DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団』では、声優としてバットマン役を好演。山田さんにスーパーヒーローへの思いや映画の見どころについて聞きました!
もし超能力があったら、ってワクワクするトークテーマですが、よく考えるとむずかしいですよね。例えば、時間を止める能力があったら遅刻しそうなときに使えますけど、ゆくゆくは1人の時間軸で生きていくことになってしまって、それだとつまらない。ほかにも、速く飛べる能力があったとしたら、僕はすぐにピューッと飛んでいってしまいたくなるから、怪しすぎて撃ち落とされてしまうと思うんですよ(笑)
あ、ありました! 人の心をコントロールできる能力ならほしいですね。海外旅行のとき、いつも空港のイミグレーション(出入国審査カウンター)で止められるんです。仕方ないんですけど、ヒゲを生やしているだけで怪しまれる。めんどくさいので、“この人なら、大丈夫!”と思わせる力があったらいいですね。
うれしかったですよ。バットマン役のオファーだったので、すんなり入ってきたというか、求められているものが何なのかすぐに理解できました。鷹の爪の世界観のなかで、バットマンを大真面目にやることが笑いにつながるんだろうなと。

僕のなかのバットマンを忠実に演じました。バットマンは本家でも、人を救ってるのに大富豪の道楽だと言われ、そこに苦悩してるところが人間らしい。渋くてかっこいいところと、うじうじ悩んでるところは常に意識していました。声の出し方でいうと、監督から本家のガサガサした感じをやってくれ、と言われました。でも、あれって加工じゃないですか(笑)。“う゛あ゛ー、う゛あ゛ー”みたいな声でやって、ちょっと喉を痛めました。
バットマンにトラウマがあって、それを鷹の爪団が取り除きにいくところです。過去にタイムトラベルしてトラウマを消していくんですが、それによってバットマンのキャラクターがコロコロ変わっていく。そこはスピード感もあるし、通常のバットマンではできない試み。DCエンターテイメントの幹部にも、ここが一番ウケてたみたいです。
誕生から11年が経っていますが、今の時代にこそ求められているキャラクターだと思います。最近、SNSで炎上したあと、制作側が自主規制する流れがあります。でも、これって負の連鎖だと思うんです。面白いものも面白くなくなって、またそれを観た人がつまらないと言う。それに対して、鷹の爪は、自虐を入れて中和させつつ辛口のまま突っ走る、というスタンスがいいですね。
はい。今回、鷹の爪が低予算アニメというのを逆手にとった笑いがいくつかあります。予算が増えると映像もきれいになっていくんですが、企業のロゴがバーンと映ると予算のメーターが上がっていく。そういうの、いいですよね。
みんな何かしらの違和感を持っているから笑えるんです。今の時代のストレスのはけ口にもなっているのかもしれません。
制作陣の自信の表れですよね。先に文字でストーリーは見せてしまうけど、それ以上のものが見せられるという。実際にアニメやCG、声優陣でパワーアップしてる。誰もここまでのことを想像できないと思います。
パロディ映画って、元ネタを知っていたら面白いけど、知らなかったらつまらない。でも、今回はスーパーマンなりバットマンなりシンゴジラなり、誰でも知ってるキャラクター。ただただ笑えますし、パロディならではの冷や冷や感もある。これを許可したDCエンターテイメントの寛大さは、本当にセンスあるなと思います。
山田孝之 さん
1983年生まれ。1999年俳優デビュー。「ちゅらさん」「ウォーターボーイズ」など話題作で好演し、主演ドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」「白夜行」で一躍スターに。その後も「電車男」「クローズZERO」「闇金ウシジマくん」「勇者ヨシヒコ」などで幅広い演技力を見せる。主演映画「ハード・コア」が2018年に公開予定。
スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンをはじめとするジャスティス・リーグとスーパーヴィランのジョーカー、ハーレイ・クイン、ペンギンが東京へ大集合! 『ワンダーウーマン』のヒットや『ジャスティス・リーグ』の公開を控え、勢いに乗るDCコミックスがなぜか日本が誇る超低予算アニメ“鷹の爪”とタッグ。まさに格差コラボレーションというべき映画史に残るチャレンジングな作品を見逃さない手はない!