国道のトリビア

車が走行できない国道や、日本人立ち入り禁止の国道も!? 400以上の路線があるからこそ、国道にまつわるトリビアも多彩です!

車はおろか人も歩けない!? “珍国道”リスト

国道はどんな路線でも車で走行できるものと思ってしまいがち。しかし、なかには車の走行はおろか、人が歩くこともできない国道もあるようです……。

点線国道

山岳地域では道路整備が困難で、車で通行可能な道路がいまだに開通していないケースがあります。点線国道とは、その区間が地図上で点線で結ばれているために名付けられたもの。長野県上田市から静岡県浜松市東区を走る国道152号は6つの峠を越える山岳路線で、2つの峠で道がつながっておらず、迂回路が整備されています。かつては太平洋側から信州に塩を運んだ“塩の道”であり、酷道ファンにはおなじみの人気酷道です。

階段国道

青森県弘前市と東津軽郡外ヶ浜町を結ぶ国道339号の一区間、竜飛崎灯台には“階段の国道”が存在します。青函トンネル工事のために、階段と知りながら暫定的に国道指定したことで、全国でも珍しい国道が生まれたのだそう。ちなみに、階段国道のすぐ近くには車道も整備されているため、車でもアクセス可。近年はメディアに多く取り上げられ、観光地として賑わっています。

海上国道

国道の一区間が海で隔てられている国道のこと。北海道と本州、九州と沖縄を結ぶものなど、全国に26の路線があり、陸と陸のあいだはフェリーで結ばれています。海上国道のなかでもっとも長距離なのが“琉球国道”と呼ばれる国道58号。鹿児島県鹿児島市を起点に、種子島、奄美大島を経て沖縄県那覇市を終点とする路線は全長877.9kmもあります。

アーケード国道

一区間が商店街(アーケード)になっている生活感たっぷりの国道で、時間帯によっては車の通行が禁止されることも。大阪府高槻市と泉佐野市を結ぶ国道170号の旧道は、東大阪市の瓢箪山(ひょうたんやま)商店街を走っており、8時から20時まで車両の通行がNGなのだそう。アーケード国道は全国的にも珍しく、国道170号以外には長崎市の浜町アーケードを走る国道324号が確認されているようです。

エレベーター国道

大阪府大阪市北区から福岡県北九州市門司区を走る国道2号。この一区間、本州と九州を結ぶ関門トンネルには車道と別に人道トンネルが整備されていて、地上とトンネルがエレベーターでつながっているんです。歩行者が通行できる海底トンネルは世界的に珍しく、観光地化をめざして、国道標識がカメラのフラッシュで反射しないような工夫も施されているのだとか。

原付バイクは通行不可! 幻の“渡し船国道”とは?

国道の一区間が海のため、フェリーが連絡している海上国道は上で紹介しましたが、1990年代初頭まで、日本には川の両岸を渡し船が連絡する「渡し船国道」が存在していました。
北海道浦河町と釧路市を結ぶ国道336号。この国道は十勝川を渡っているのですが、1992年までは橋がなく、渡し船で川を渡っていたのだそう。船は人力のため、乗船できるのは人間と自転車のみ。原付バイクなどの車両は迂回するしか進む手段がなかったようです。橋がかけられたことで渡し船国道は日本から消滅してしまいましたが、なんとも情緒あふれる光景がひと昔前には広がっていたんですね!

戦車が走れる。3回曲がれば新潟へ…… 国道の都市伝説を検証

国道にまつわる都市伝説は“心霊系”や“陰謀系”などさまざまですが、一部でささやかれているのが、東京郊外を走る国道16号の伝説。東京環状線とも呼ばれるこの路線は、有事の際に戦車が走れるように設計されたのでは……という話があるんです。
この路線には横田基地をはじめ、米軍や自衛隊の施設が点在し、戦時中には滑走路として使えるように道幅が広く設計されていたことなどが、伝説が生まれた理由のよう。しかし、現在の国道は商店なども密集し、実際に戦車が通れるように管理されているとは考えにくいとか……。
一方で、戦後政治の象徴といえる田中角栄元首相と国道にまつわる都市伝説も。これは、東京にある田中邸から新潟の実家まで、“たった3回曲がるだけ”で走り切ることができるというもの。豪快なエピソードがたくさんある人物だけに、さまざまな憶測が飛び交いましたが、愛好家やメディアなども検証を行い、伝説は真実だったと証明されています。

ドライブしておきたいおススメの国道5選

いま、国道は1号から507号まで、全国に459路線存在しています。 そんな国道の“ナンバーワン”をここでご紹介しましょう!

国道237号/北海道

北海道旭川市から浦河郡浦河町を結ぶ全長259.6kmの国道。花人街道、ガーデン国道などと呼ばれ、富良野から美瑛にかけて広がる色とりどりの花畑は絶景だといいます。


国道1号/東京~大阪

日本を代表する国道。この路線をもっとも美しく眺められるポイントのひとつが、静岡県内の薩埵峠(さったとうげ)です。峠の旧道から国道1号を見下ろすと、東名高速道路、東海道新幹線がクロスし、その先には駿河湾と富士山のパノラマが広がります。


国道339号/青森

冒頭でも紹介した階段国道で有名ですが、階段を降り切ると路線は民家のあいだに入り込むため、北国の味わい深い生活を垣間見ることができるのも楽しみ。


国道58号/鹿児島〜沖縄

鹿児島、種子島、奄美大島、沖縄をフェリーでつなぐ海上国道は、数多くの関連グッズが販売されているアイドル路線。「58号」のロゴが入ったキーホルダーやステッカー、Tシャツのほかにも、「黒糖58号線」なる黒砂糖やハンバーガーなども販売されているとか。


国道361号/岐阜〜長野

中部地方の山岳地帯を横断する数少ない路線。2つの峠が開通せず“開かずの国道”となっていたり、すれ違いが困難な狭小トンネル区間があったものの、今世紀に入るとトンネルやバイパスなどが整備され通行もスムーズに。現代技術の粋を集めた国道の魅力や、アルプスの美しい景観も楽しめる路線になっているそう。


国道145号/群馬

群馬県吾妻郡長野原町と沼田市を結ぶ国道145号は、八ッ場ダムの建設に伴い、一区間がダムの底に沈んでしまう “消えゆく国道”。新線の整備が進められる一方で、旧道は水底に沈む予定であるため、愛好家を中心に“見納めドライブ”が人気を呼んでいるようです。

奥が深い国道の世界。その歴史やトリビアに意識を向ければ、毎日の通勤や長時間の移動も退屈しなくなるかもしれませんね。あなたの街を走る国道のルーツも、ぜひ紐解いてみてください!

取材協力:佐藤 健太郎 さん/サイエンスライター、国道マニア 1970年兵庫県生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。医薬品メーカーの研究職、東京大学大学院理学系研究科広報担当特任助教等を経て、現在はサイエンスライターとして活動。2010年、「医薬品クライシス」(新潮新書)で科学ジャーナリスト賞、2011年、化学コミュニケーション賞を受賞。国道マニア歴20年近くの知識・経験を活かし、2014年には「ふしぎな国道」(講談社現代新書)を上梓。月刊誌「新潮45」(新潮社)で「国道者」を連載中。

参考文献 佐藤健太郎「ふしぎな国道」(講談社現代新書)、松波成行「国道の謎」(祥伝社新書)、浅井建爾「道と路がわかる事典」(日本実業出版社)、「別冊宝島 知られざる国道の世界」(宝島社)、「酷道をゆく」「酷道をゆく2」(イカロス出版) ほか

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