お好み焼きのルーツは駄菓子屋!? 駄菓子のトリビア

ロングセラーを続ける定番商品から、一時代を築いた伝説の駄菓子まで。駄菓子屋を彩った珠玉の駄菓子、おもちゃのトリビアをご紹介します。

郷土駄菓子、甘さの基準は「つるしの柿」?

駄菓子は駄菓子でも、子ども向けの安価な駄菓子とはひと味違う「郷土駄菓子」。これは、地方の特産物に黒砂糖や水飴を加えて作るお菓子で、上菓子と雑菓子が区別されるようになった江戸時代に生まれたもの。仙台、会津、飛騨、姫路が名産地として知られています。
麦、豆、もちきび、うるきび、栗きび、トウモロコシなど、原料はさまざまですが、一説によると甘さの基準は「つるし柿の甘さ」に設定されているのだとか。おこしやねじり菓子、餅菓子など、昔ながらの郷土駄菓子を食べれば、江戸時代の子どもの気分も味わえる?

西部劇人気で大ヒット銀玉鉄砲はエコを先取り!

輪ゴムを飛ばす割り箸鉄砲や細長い篠竹で作る竹鉄砲など、工夫を凝らしておもちゃの鉄砲を自作して遊んでいた昭和の時代。銀色にコーティングされた“銀玉”を実際に発射できるプラスチック製のおもちゃ「銀玉鉄砲」が駄菓子屋に登場すると、男の子の遊びは大きく変わりました。
日本初の銀玉鉄砲「マジックコルト」が駄菓子屋に初めて並んだのは昭和34年。発売当初はプラスチック製の銀玉でしたが、開発元である大阪のセキデン化学工業の社員が「鉄砲を撃つ度に弾を拾い集める子どもの姿」を見て、もっと安く作れる素材を探すことを決意。そして誕生したのが、七輪などに使われる軽くて安価な珪藻土を使った銀玉だったのです。
「ローン・レンジャー」や「ララミー牧場」など、アメリカの西部劇TVシリーズが人気を博していた時代に銀玉鉄砲は大ヒット!  同社では1日に3万丁を製造し、銀玉だけで約2トンに上っていた時期もあったそう。
ちなみに、現在主流のエアソフトガンのBB弾には、2〜3年ほどで土に返る生分解性プラスチックが使用されていますが、珪藻土製の銀玉は雨に濡れればすぐに風化してしまうほど。弾が飛ぶ距離が短く、当たっても痛くない銀玉鉄砲は“エコ”な遊び道具だったのかもしれませんね。

人気スナック菓子は竹ぼうき会社から生まれた?

「うまい棒」「カットよっちゃん」など、駄菓子屋発の超ロングセラー商品は数あれど、「ラーメンをそのまま食べる」というユニークな発想で、発売以来熱い支持を得ているのが「ベビースターラーメン」(おやつカンパニー)です。
ベビースターラーメンが「ベビーラーメン」という名前で駄菓子屋に登場したのは、銀玉鉄砲と同じ昭和34年。おやつカンパニーの前身である松田産業の創業者・松田由雄氏がノンフライ麺の製造を進めていたところ、製造中に出てくる“麺のかけら”を再利用できないかと考えたのが始まりなのだそう。当初は東海地方のみでの販売でしたが、お菓子問屋が数多く集まる名古屋から全国へと広がり、各地で大ヒット! スナック菓子ブームの先駆けとして、親しまれるようになるのです。
ちなみに、松田産業は戦中に誕生した会社で、もともとは製粉・製麦・搾油・きなこ、そして竹ぼうきの製造を行っていたのだとか。ベビースターラーメンは元・竹ぼうきの製造会社から誕生したんです!

お好み焼きのルーツは駄菓子屋にあり?

その昔、東京下町の駄菓子屋には「もんじゃ焼き」を焼ける鉄板を設置した駄菓子屋が数多くありました。そのもんじゃ焼きのルーツといえるのが、安土桃山時代の茶菓子「麩の焼き」。水で溶いた小麦粉を薄く焼き、山椒入りの味噌をはさんだ茶菓子で、かの千利休が作らせていたのだそう。
麩の焼きは江戸時代に餡をはさんで焼く「助惣焼き」となり、明治以降は「文字焼き」と呼ばれるもんじゃ焼きの原型が、駄菓子屋で供されるようになります。食べ歩きができる「どんどん焼き」として屋台で売られるなど、バリエーションも豊かになるのはこの頃のこと。
さらに、こうした間食は調理に手間がかからなかったことから、関東大震災を契機にお菓子から主食的な位置づけとなり、キャベツなどの野菜や海産物など、お好みの具材を混ぜて焼くお好み焼きに発展していきます。駄菓子屋のお菓子は、日本の食文化と密接に関わっているんですね。

2,500万部も発行⁉︎おまけ付き駄菓子、驚きの数字

「仮面ライダースナック」や「ビックリマンチョコ」など、おまけ付き駄菓子は数々の社会現象を巻き起こしました。前者は昭和46年、後者は昭和52年に発売を開始したお菓子ですが、戦後、砂糖の統制が撤廃されて菓子会社が乱立した時代には、“キャラメル戦争”と呼ばれるおまけ付きキャラメルのファン獲得合戦が繰り広げられたのだそう。なかでも子どもの人気を集めたのはこのふたつ!

紅梅キャラメル(紅梅食品)
読売巨人軍の選手のブロマイドが入っているキャラメル。カードには点数が付いていて、サイン入りブロマイドや野球のボール、グローブ、ユニフォームなど、点数に応じたプレゼントをゲットできる。
カバヤキャラメル(カバヤ食品)
昭和27〜29年にかけて、B6判で120〜130ページほどのボリュームの「カバヤ文庫」を景品としていた。文庫の内容は世界名作文学のダイジェストや、野球選手、西部劇のアルバムなど。基本的にキャラメルに入っているカードを50点分集めれば交換可能。

カバヤ文庫は2年ほどの間に1週間に1冊のペースで発行され、全159タイトル、2,500万冊もの文庫が製作されたといいます。 娯楽が少なかった当時の子どもにとって、こうしたおまけは世界を広げる貴重なアイテム。駄菓子は子どものお腹を満たすだけでなく、心をも満たしていたんですね。


地域や時代によって親しまれていたお菓子やおもちゃは異なると思いますが、いつの時代も駄菓子屋は子どもをワクワクさせてくれていたんですね。久しぶりに駄菓子を食べれば、毎日力いっぱい遊んでいたあの頃の元気がよみがえってくるかも?

協力:堀田 久富 さん/キャラメル横丁店長、株式会社マルホ代表取締役 駄菓子屋などが扱っている紙くじの製造卸「マルホ」の経営とともに、駄菓子の通販や、全国の駄菓子屋情報を紹介するウェブサイト「キャラメル横丁」を運営。駄菓子の思い出などを募る「駄菓子文学賞」も開催している。

参考文献 串間努『ザ・駄菓子百科事典』(扶桑社)/奥成達『駄菓子屋図鑑』(飛鳥新社)/角田武・鳥飼新市・武居智子『駄菓子大全』(新潮社)/株式会社マルホ「キャラメル横丁」ホームページ/カバヤ食品会社ホームページ/株式会社おやつカンパニーホームページ など

撮影協力:きりんちゃんのだがしや 住所:東京都渋谷区広尾1-3-16 T&Tビル1F 営業時間:11~18時(日・祝日は10~17時)定休日:第一第三日曜日

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