めくるめく自動販売機の世界

知られざる日本の自販機事情とは?

駅のホームや屋外、高速のPAなど、日本中どこにでも置かれている自動販売機。
日本はいまや、世界有数の自販機大国なのです。そこで、今回は自販機のルーツや最新の技術などを調べてみました。
普段、身近にあるものだけに、意識することも少ない自販機の世界。ぜひ、覗いてみませんか?

世界で初めて自販機を使ったのは古代エジプト人

自動販売機のルーツを辿ると、紀元前215年のエジプト(日本は弥生時代!)にまで遡ります。当時、アレキサンドリア寺院に置かれた自販機では聖水が売られていました。仕組みは、てこの原理を応用したもので、投入された硬貨の重みで内部の受け皿が傾き、その傾きが元に戻るまで弁が開いて、水が出るというもの。一回の放水にかかる金額は5ドラクマ。当時、労働者の一日の賃金は1ドラクマだったという説もあるので、かなり高級なお水だったようです。

まるでタンスのような風貌日本初の自販機とは?

日本でもっとも古い自販機は、明治21年に作られた「煙草販売便器」というもの。これは発明家の俵谷高七氏によって考案され、第3回内国勧業博覧会でお披露目されましたが実用化には至りませんでした。
現存する日本最古の自販機は、同じく俵谷氏が明治37年に制作した「自動郵便切手葉書売下機」です。この販売機は、切手と葉書を販売するだけでなく、郵便ポストの役割も兼ねている便利なものでした。仕組みは、投入されたコインの作用だけで動くからくり技術を応用したもので、動力は全く使われていません。右側が3銭切手、左側が1銭5厘はがきの発売口で、在庫が切れると「うりきれ」と表示されました。

自販機大国・日本!その影には正義のロボットの存在が

世界有数の自販機大国と言われる日本。爆発的に普及したのは1960年から70年にかけてのことです。1962年にコカ・コーラの自販機880台が全国に設置されたのを皮切りに、日本の自販機産業がはじまりました。その時期、日本は高度経済成長期のまっただ中。「100円硬貨の登場」、「国鉄による自動券売機の導入」なども影響し、自販機は人々の生活に定着していきました。また、治安の良さのおかげで、外に自販機を設置できたのも大きかったようです。1970年代には、ホットドリンクの販売もはじまり、その勢いは加速していきました。

その他にも日本に自販機が定着したのには、意外すぎる要因があるそうです。それが、日本人のロボットに対する考え方。海外では「ロボット=悪者」という考えが根強く、自販機に対する信頼感が低いのです。一方、日本は昔から「ロボット=正義の味方」という考えが強く、それが自販機への信頼感へとつながっているとか。自販機の普及は、鉄腕アトムやドラえもんが国民的ヒーローとして君臨する日本ならではの現象なのかもしれません。

種類によって異なる条件あの自販機が外にない理由

一口に自販機と言っても、様々な種類があり、それぞれに設置条件が異なります。例えば、よく見かける缶・ビン・ペットボトル入りの清涼飲料を販売する自販機は設置に許可は必要ありません。一方、カップが出てきて、そこに飲料が注がれるタイプの自販機は「食品衛生法に基づく喫茶店営業の許可」が必要になるため、屋外に置くのはNG。確かに意識してみると、カップ式が置いてあるのはすべて屋内や屋根の下。そんな決まりがあるとは、知らない人も多いのでは?

広告業界に匹敵!?自販機業界の恐るべき売上高とは?

2012年12月の調査によると、日本にある自販機は509万台。売上は、なんと5兆3750億円にもなるそうです。市場規模だけで見ると、通販業界以上、広告業界にも匹敵するほど。実は大量のマネーが動いていたのです!
※自動販売機は飲料、食品、たばこ、券類、その他、自動サービス機が含まれます

グラフ

実はスゴイことになっている自販機の進化!

1960年代から進化を遂げてきた自販機は、今も進化の真っ最中。現在進行形で進化を続ける驚きの機能を持つ自販機をご紹介します。

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方言! 外国語!しゃべりすぎる自販機 売れ筋だけを冷して待つエコな自販機

最近では、ICカードにポイントを還元するシステムも導入されています。今後は、スマホと自販機をネットワークで結び、サービスを行うことも考えられているそう。身近にある自販機の進化に期待大ですね。

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